NFL のチーム内で最も重要なリーダーは誰か
NFL のチーム内で最も重要なリーダーは誰か
私たちはこの分析のため、各チームの毎年の戦績を含む38年分のパネルデータを作成した(詳細は、本稿末尾にある分析方法の部分を参照のこと)。
サンプル期間において、4つのリーダーシップによって各チームの成否をかなり高い割合で説明できた。全体を通して、4つのリーダーの変数(クォーターバック、コーチ、ゼネラルマネジャー、オーナー)は、チーム成績の分散の3分の2以上に当たる68.2%に寄与したのである。
数十億ドル規模の組織で、たった4人の個人がこれほど影響を及ぼしているのを見るのは、まったくの驚きではないにせよ興味深い。68.2%のうち、オーナーの重みは最も低く(因子寄与率11.12%)、次がゼネラルマネジャー(22.43%)、そしてコーチ(29.08%)、最後がクォーターバック(37.37%)だった。
これは、成績の分散でクォーターバックはオーナーの3倍以上の重みを持つことを意味しており、チームの成功に最も不可欠な存在のように思える。とはいえ、コーチとゼネラルマネジャーもやはりきわめて重要であり、私たちのモデルの因子寄与率で半分以上を占めている。
https://gyazo.com/e648781ef5e8522b00359d7976060aca
https://gyazo.com/4901ec01bd976a9bb4eaf4801120b23b
このクォーターバック偏重の傾向を知るには、最近のMVPの投票結果を見れば十分だ。過去12年間のMVPの92%をクォーターバックが独占している。アメフト史の初めの32年間ではクォーターバックの受賞率は63%であり、そこから劇的に上昇している。
分析方法
一般公開されているwww.pro-football-reference.comのデータを使い、各チームの毎年の勝敗記録を含む38年分のパネルデータを作成した。それを結果変数として、コーチ、ゼネラルマネジャー、オーナー、クォーターバックに関する独立ダミー変数と共に用いた。4つの説明変数のうち、チームの成績の因子寄与率に最も貢献しているものはどれなのかを明らかにすべく、各変数の平方和を見ることで単線形回帰分析を行った。
我々が従ったのは、グロンピングが説明した理論的基礎(2006年、2007年)である。彼は、線形モデルにおける独立変数の相対的重要度を評価する際に推奨される方法として、「独立変数を順序づけして平均する方法」を確立した。また、線形モデルアプローチとランダムフォレストアプローチの比較も行っている(2009年)。さらに、彼は変数分解による分析には多くのアプローチがあり、「これに関する優れた理論は存在しない」が、私たちが採用した「独立変数を順序づけして平均する方法」を含むいくつかのアプローチは実行可能だと結論づけた(2015年)。私たちは、各変数の重みを決定するため、変数が現れる可能性のある配列のあらゆる順列を取って平均値を算出した。